狙う魚は違えど、釣りバカはいつだって魚のことしか考えていない。
渓流釣りと鮎釣り、そして酒をこよなく愛している著者の釣り日記。
いついつ、どこどこの釣り場へ出かけて、こんなことがあった。
主にこんな内容の5~10ページほどの短編が30話ほど。
読みきりなので読みやすい。
釣りに行く前のソワソワする気持ち。
魚を掛けるまでの駆け引き。
当たりがあった時のドキドキ感。
ファイト中の興奮。
釣り上げた時の喜び。
その一つ一つの感情は、釣り人なら誰しも共感できると思う。
竿を踏んで折ってしまったり、命を落としかけたなどの失敗談なんかもあり、
思わず「あるある」と頷いてしまう。
"釣りバカ"っていう言葉が一般に広く浸透しているのは、
漫画や映画でお馴染みの「釣りバカ日誌」からだろうとは思うけど、
釣りにまったく興味がない人からすれば、釣り好きの人がバカに見えてもおかしくないと思う。
12時間以上の道のりを一人で運転して目当ての釣り場へ出かけたり、
真冬で大雪、朝日が昇る前のクソ寒い中、黙々と糸を垂れる。
魚を釣るためだけに沖縄まで行って坊主くらって帰ってくる。
釣りに興味がない人からすれば「頭おかしいんじゃないの?」って思われてもしかたがない。
そういう意味では、釣りバカっていうカテゴリーが確実に存在する。
でも当の本人は心から好きなことだから、距離も寒さも早起きも関係ない。
これが家族サービスとなったら話は別。
行きたくもないディズニーランドに向かうとなれば1時間の運転も嫌だし、
やりたくもない仕事のための早起きは30分ぐらい布団から出れないかもしれない。
一度ハマッたら決してやめる事ができない魅力が、釣りにはある。
そして釣りという趣味に終わりはない。
これから先どんな魚に巡り合えるか。
どんな釣りができるか。
僕も釣りは一生やめられないんだろうなぁと思いながら一気に読んでしまいました。
ただ、釣りに興味がない人にはお勧めできません。
そういう人が読んでも、そのへんのおっさんのつまらない日常になってしまいます(笑)
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