連日微妙な天気が続き、風も強い。もう少し暖かいと思っていたけど海に入るのはまだ寒そう。
風裏になるポイントを探して釣りをします。
こまめに場所を移動。どこへ行ってもベイトは水面をざわついているし時々ボイルしてるのにルアーには全く反応しない。雰囲気はめちゃくちゃ釣れそうだし、海一面がポイントに見える。でも実際はそんなに甘くなく・・・。沖縄で釣りをするといつも思う。
全然釣れないので嫁さんは定番のサンゴアートを始める始末。
さらにポイントを移動して釣りをしていると、僕たちの姿を後ろからずっと笑顔で見ているおじいちゃんがいることに気付く。話しかけてみた。どうやら投網をしに来たらしい。強い南風でどこへ行っても投げられず、しかたなくここへ来たんだとか。サングラスが失礼なのは分かっているけど、先日新調した度付きサングラスなのでメガネ変わり。はずすと目が見えない旨を説明すると、「そんなこと気にしてないよ」と大笑い。
投網を見せてほしい、とお願いすると快くOKしてくれた。見てると簡単そうに見えるけど実際は絶対に難しいんだろうな。網をきれいな円状に投げてあっと言う間に魚を捕獲。
いろいろ教えてもらった。潮の動きと魚の動きの関係について。どのポイントで何が捕れるか、時間帯は?風向きは?しかも捕った魚を全部僕たちにくれると言う。普段はやらないポイントなのに僕たちに投網を見せるやるためにわざわざ投げてくれて・・・。逆に僕はこのおじいちゃんに何ができるのだろう・・・。考え抜いた末、僕がおじいちゃんに与えれるものが何もないということに気付いたとき、自分がもの凄く情けなく感じた。
僕たちが1ヶ月沖縄に居ること、半分自給自足の生活を楽しんでいることを話すと、「近くに僕の畑があるから帰りに寄ってください」と・・・。ホウレンソウにジャガイモ、トウモロコシ、ニラ、ウズラマメ・・・。どうして初対面のどこの馬の骨かも分からない僕たちにここまでしてくれるのか。何もできない俺、クソやな!
隠れ家(昼寝場)に案内される。
8歳の頃に戦争で両親を失い、一人で魚やエビや雑草を食べて生きてきた話。漢字が書けないという話。お腹がすいて死にそうでどうしても我慢できず他人の畑からサトウキビを盗んでしまった話。「だからこそ僕は皆にあげるんです。泥棒に入られても怒りません」という話。孫に残せるだけのお金と土地があっても、残された時間が無いという冗談話。出合って2,3時間しか経っていないなんて思えない。
最高に楽しい時間とたくさんの魚と野菜をいただきました。
何も出来なかったのがどうしても心残り。携帯電話を持っていないので、この沖縄滞在中に絶対もう一度カメさん(最後に名前を聞いた)を見つけ出し、恩返しすると心に誓った。カメさんに会えるまで、カメさんが居そうな場所を予想して釣りに行く。恩返しと言っても泡盛を買っていくぐらいしか思いつかない。一体何をすれば喜んでもらえるんだろう・・・。
もうね、食べる前から美味いわ。
食べたら食べたで、今までで一番美味いわ。
カメさんがしてくれた話で一番印象に残っている話。覚えている範囲でできるだけそのままの言葉で書きます。
一番幸せですよ。最高ですよ。食べ物には困りません。家族もいます。お兄ちゃん、あの調べるやつ(指でキーボードを叩く動作をしながら)がお仕事なら儲けてるんでしょ?お金なんてあってもしかたないよ。それじゃ今欲しいものはある?ほらぁ、パッと言えないでしょ?今の世の中、欲しい”モノ”なんて無いよ。あんたがた、子供はいるの?そうか、早く作ったほうがいいよ。あれは一番よ。
僕は元芸能人の島田紳助さんを崇拝しているんだけど、中でも僕の中で神回だったこの動画。やはり本当の幸せとは人それぞれ違って、自分なりのマイ・ヴィトンを見つけなければ永遠に幸せは訪れないということを、カメさんに直接教えてもらった気がします。6:40から最後まで見てください。島田紳助が嫌いな方も15分間だけ我慢して見る価値はあると思います。
携帯電話も無い、人生気ままに生きているカメさんと、あと25日以内にこの沖縄県内でまた偶然ばったり出会うにはどうしたらいいか。今はGT釣りなんかよりもその事しか考えられない。とりあえず足りない頭で考えた泡盛だけは車に常備しておこう。
沖縄マンスリー6日目 ~雨・・・こんな日はトレーニング~ に続く。
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