バスボート購入から売却という経験を経て思うこと

 

バスボートを購入してからちょうど1年が経った。

TR-21X HP

 

そして本日このバスボートを売却した。

このブログは、琵琶湖でのレンタルボート釣りがメインだった僕が、ひょんなことからバスボートを購入してたった1年で売却するまでの話や、実際にバスボートのオーナーになってみて分かったことなどを長々と綴る。修理や維持など、誰もが気になるお金の話も包み隠さずお話する。売却金額には自分自身びっくりした。(具体的な金額もご紹介します)これからバスボートの購入を検討している人の参考になれば幸いです。

最初はバスボートの購入なんて1㎜も興味がなかった

僕がバス釣りを始めたのは小学生の頃。近所の野池で釣りしていた僕にとってブラックバスは釣れなくて当たり前の魚だった。まぁ今思えばスピニングタックル1本でノーシンカーからスピナベまで投げてたぐらいだから、釣りの基本というか、セオリーを全く知らなかったのも原因ではある。

もちろんそれが全てでは無いけど、とにかく知識と経験が全くなかった僕にとって、ブラックバスは釣れない魚だった。それでも片道1時間の道のりを自転車で通った。釣果は言うまでもない。

中学生に上がり女にモテる事だけに注力し、いつの間にかバス釣りなんて辞めた。そして歳をとるに連れてバイクや車に興味を持ち、そして飽きた。心の底から楽しめる事なんてなく毎日テキトーに過ごしていた、そんな時。父親に連れて行かれた琵琶湖での初フローター釣行で衝撃を味わう。決して大げさではなく、こんなに楽しい経験は初めてだったかもしれない。

それまで僕が趣味だと錯覚していたものは、あくまで人の目を気にしていただけに過ぎなかった。ギターもバイクも車も、今思えば他人にかっこいいと思われたかっただけ。それを「好き」だと勘違いしていた。実際、全部すぐに飽きた。

ブラックバスが1日に10匹も釣れた日、僕は最高に楽しかった。フローターなんてたぶん他人から見てかっこいいものではない。むしろ見た目は超かっこ悪い。

琵琶湖フローター

 

それでも釣りしている間は心の底から楽しいと思える時間だった。それからというもの、毎週末には片道2時間かけて琵琶湖へ通った。フローターに限らずウェーディングもしたし当然オカッパリも。地元の野池とは比べ物にならないほど釣れ、どんな釣り方も楽しかった。そしてバス釣りに関する知識が少し付いてきた頃。ボートの免許を取得すれば琵琶湖でレンタルボートを借りれるということを知った。フローターでは行けない場所へいける。そんな一心で必死に勉強し免許を取得。どうせなら1級取ろうと頑張った。

1級船舶の海図の勉強

 

無事に試験に合格し、毎週末が楽しみでしかたがなかった。9馬力の和船から始まり、最終的には20馬力のハイドロに落ち着いた。と言うのも大橋マリーナの接客や人柄が好きだから。ここは本当にお勧めの優しいレンタルボート屋です。

琵琶湖バス釣り

 

レンタルボートで釣りをする。何不自由ない。低速で走行する僕達の隣をバスボートがビュンビュン走っていく。「いーなー」と思いつつもバスボートへの憧れとかそんなものはなかったので、この時はボートの購入なんて1㎜も考えていなかった。

なぜバスボートを購入したのか

バスボートの購入を考えはじめたのは、ある人との出会いがきっかけ。僕のブログを読んでFacebookからコンタクトいただいたその人は、NITRO Z9のオーナーだった。初めてオーナー艇に乗せてもらい、今まで知らなかった世界を知ることになる。

バスボート

 

単純にかっこよかった。僕もこんなボートを所有できるような男になりたい!本気でそう思った。ちょうどその頃、バスボートの購入とは関係なく、僕は30歳を迎える際に自分へハーレーをプレゼントすることを目標にしていたので、目標をハーレーではなくバスボートに変更した。そしてちょうど30歳を迎える前に目標を達成した。真剣にボートを探していたとき、たまたまヤフオクで予算内のボートを発見。

2007年式 TRITON(トライトン) TR-21X HP マーキュリー250proxs

TRITON トライトン TR-21X HP

 

出品者が近所だったこともあり、現車確認して即決。過去にヤフオクで車を3台購入した経験があったためか、個人売買にそれほど恐怖心や抵抗感はなかった。購入金額は3,800,000円。これまでの人生で一番高い買い物。さすがに赤の他人にこれだけの金額を手渡すときはちょっと躊躇したが、出品者はとても良い人でスムーズに名義変更から納艇まで進んだ。

やっぱりバスボートは壊れるよ・・・

納艇完了。すぐにバッテリーの電圧が低いことが発覚。個人売買なので保証はないのは当たり前。バッテリー4発全て新品交換し60,000円が吹っ飛ぶ。

バスボートのバッテリー交換

 

まじか。念のためにマリーナでコンプリートチェックしてもらった。消耗品などを全て交換してもらい、配線等もすっきり改善。合計130,000円かかった。そして間もなく、釣り中にエレキがご臨終。さらに80,000円の出費。

IMG_0394

 

その後も細かい部分がちょくちょく壊れる。例えばスピードメータやガソリンメーター。これらは絶対に壊れると言っていい。直そうとも思わない。心折れそうになる。

マイボートでの釣りは最高だよ!

本当に壊れる。何かと金がかかる。それでもマイボートでの釣りは最高だった。たとえ釣れなくても、その雰囲気を楽しめた。同じボート釣りでも、「マイボートでの釣り」は全く違うカテゴリーだと思う。

 

それまでは絶対に行けなかった場所へ自由に行けたり、レンタルボートとは違い日没まで釣りできたり。何より運転しているだけで楽しかったし、なんとも言えない優越感があった。しかし・・・。

モノで感じる幸せには必ず飽きが来る

これは絶対だと思っている。見た目のかっこよさや一時の感情に飛びつくと、必ずいつかは飽きる時が来る。なぜなら、手に入れた瞬間にそれが自分にとっての”普通”になってしまうから。人間には”慣れる”という面白い性質がある。たぶんどんな幸せも不幸も、そのうちに慣れてしまう。

例えば今あなたが住んでいる家の事を考えてみて欲しい。僕は今アパート暮らしだけど部屋探ししているときはワクワクしたし、部屋が決まって実際に住みだしてからの毎日は新鮮で楽しかった。新たな土地で新たな住まい。近所のスーパーで野菜を買うことですら楽しく思えた。でも時間が経つにつれ、その生活はいつしか至って普通のものとなる。今の家に住んでいることは当たり前。家に、そしてそこでの生活に何の特別感もなくなり、慣れる。

バイクにしても車にしても、もしかしたら自分の彼女や奥さんにしても・・・。自分のものではない時は特別に感じる存在も、自分のものになった瞬間にそれは普通のこととなり、慣れ、飽きる。これは僕に限ってのことかもしれないけど。

バスボートも全く同じだった。飽きてしまった。所有していることに何の特別感も感じなくなってしまった。そうなると費用対効果や効率を考えるようになってしまう・・・。バスボートの存在が僕自身を縛っているということに気付く。そもそも僕が心から楽しいと思うことは”魚を釣ること”。ブラックバスに限らず渓流釣りや管釣りも最高に楽しい。

アマゴ

 

年に数回しか行けないGT釣りもすごくワクワクするし、近所の小川でするミミズでのエサ釣りも物凄く楽しい。僕にとって、魚を釣るために使う道具には一切拘りはない。竿やリールなんてぶっちゃけ何でもいいと思ってる。一度だけ4万円のリールを買って一時的にテンション上がったことはあるけど、今となってはやっぱりそれが普通となり、扱いも雑になり傷だらけ(笑)

タックルをコレクションするという楽しみ方もあるだろうし、魚を釣ることよりも先に格好(見た目)を優先するという楽しみ方もある。僕の価値観では辿りつけない領域があることも重々分かっている。でも僕はそういった「見た目」の部分では長い満足感を得られない。興味が続かない。これらと同じように僕にとってのバスボートは所詮見た目の問題だったのだ。ここで言う「見た目」とは、他人からどう思われるかってこと。他人にかっこいいと思われたかっただけなのかもしれない。現にバスボートはかっこいい!

琵琶湖バス釣り

 

ただ、僕にとってそれは自分自身の満足に直結するものではなかった。そう気付いてしまった。魚を釣ること自体が好きな僕には不要な道具だったのだ。

かっこいい”に飛びついて得た”モノ”で感じられる幸せは長続きしない。

実際どれぐらいの維持費がかかるの?

バスボートの売却を考える理由を突き詰めると、いろんな細かい理由はあれど、結局は以下2つのどちらかだと思う。

  • バス釣り自体を辞める

僕が売却する理由は金のほう。購入したばかりでテンションが上がっている間は、それほどお金は気にならない。でもボートへの愛情が消えた瞬間に無駄ばかりが目につくようになってしまった。年に30回程度しか乗らないバスボートの費用対効果を考えるようになるシェアするこの時代に、自ら所有することのデメリットばかりが見えてくる。

マイボートを購入してから売却するまでちょうど1年。この1年でバスボートの維持にかかった金額を全て公開する。今後バスボートの購入を検討している人へ少しでも参考になれば嬉しい。

バスボートそのものに1年間で掛かった金額

  • 購入金額 3,800,000円
  • バッテリー4発交換 約60,000円
  • コンプリートチェック(消耗品交換等) 約130,000円
  • エレキ故障により交換 約80,000円
  • 1年間の駐艇料 160,000円/年額(琵琶湖では最安値)
  • 1年間の保険料 40,000円/年額
  • 合計 約4,270,000円

毎回の釣りに掛かる金額

  • ボートの揚降料金 3,000円/1回
  • ガソリン代 約3,000円/1日(ハイオク220円/ℓ ※マリーナのガソリンは割高)
  • バッテリー充電料金 1,000円/1回
  • エンジンオイル代 約500円/1日
  • 合計 約7,500円/1日

1日の釣りに最低7,500円かかる。バスボートに拘らないならレンタルボートとそれほど変わらない。ちなみにエンジンオイルは2ストローク直噴250馬力での1日の大体の使用量。

バスボート

バスボートは値が下がらない

こうして僕はたった1年で売却することにした。費用対効果で考えると、一般人のバスボートの購入は本当に無駄が多い。バス釣りを仕事にしているか、よっぽどバス釣りだけが大好きか。もしくは費用対効果なんて全く気にならない超金持ち。そんな方には最高のおもちゃだと思う。でも僕はいずれにも当てはまらない。

さっそく行動に移した。マリーナに相談して委託販売という形でホームページに掲載してもらったところ、なんとたった1週間で買い手がみつかった。バスボートってそんなに需要あるの?ってびっくりした。しかも驚くなかれ。マリーナの手数料を差し引いても僕に支払われた金額は3,740,000円。

boat1

 

ヤフオクで購入した金額が3,800,000円。差額たったの60,000円。バスボートは値段が落ちないとは聞いていたけど、ここまでかと感心した。僕のケースはラッキーだっただけかもしれない。それにしてもたった60,000円で1年間マイボートを所有できた事にただただ驚く。※実際には修理代や駐艇料などいろんなお金がかかっているが

バスボートの購入をご検討中のあなたへ

ここまで読んでいただいたのであれば意外に思うかもしれないけど、バスボート買おうかなって思うのなら僕はバスボートの購入をお勧めする。バス釣りが好きなら一度は手に入れてみたほうがいい。実際に手に入れてみないと分からないことがあるし、見える世界も変わる。購入後にもし飽きてしまったのであれば、その時は売ればいい。飽きることなく愛着が沸いていくようであれば、それはそれで最高の釣り人生を送れると思う。でも本当にお金はかかるので覚悟と心構えが必要。奥様の理解も重要になってくる。断言するけど、アメ車の維持よりは余裕で大変です。(僕は80年代のアメ車に2台乗ったことがあるけど本当に比べ物にならない)水に浸かっているためか、予想以上によく壊れる。たぶん当たり外れはあると思うけど。最悪エンジンが逝ってしまった日には泣くに泣けない。僕はそういうリスクを背負ってまで自分で所有するメリットを一切感じられなくなったので売却することにしたんだけど・・・。

もし購入するのであれば、なるべく良いボートを購入したほうがいい。信頼のおけるお店である程度高年式のボートをお勧めします。下手に2,000,000円程度で買えるバスボートを購入してしまうと、必然的に年式がかなり落ちてしまうため僕よりもっと壊れると思うし、売却時に値が付かない。今回の僕のケースはほぼトントンで売却できたためラッキーだったけど、「ある程度高額のボートは値が下がらない」とマリーナの人も言っていた。

最後に

ここでお話したのはあくまで僕個人の意見にすぎないので、全てを鵜呑みにしてほしくないけどバスボートは本当に楽しいです。バス釣りが好きなら人生に一度はマイボートのある生活は最高です。是非一度購入してみてください。ただし、本当に自分自身の楽しみのために欲しいのなら。少しでも他人のために(他人からかっこいいと思われたくて)買うならいつか飽きる。

TR21-X HP

 

ボートを売却した今、魚種に拘らずただ”魚釣り”を楽しみたい。今年は車を寝室&仕事部屋仕様に改造して日本全国廻ってみます。もし今後僕がバスボートを購入することがあるとすれば、その時は一周まわって逆に欲しくなった時か?もしくはボートの購入代金を経費で落とせるならもう一度・・・(笑)以上、バスボート購入から売却という経験を経て思うことでした。一応言っておきますが、バス釣りをやめるわけではありません。バス釣りは大好きです。

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この記事の著者

kazushi釣りと生き物をこよなく愛するWEBデザイナー

釣りと焼酎が好きなWEBデザイナー。夜な夜な真っ暗な部屋で水槽を眺めながら呑んでいます。最近のマイブームはハンドメイドルアー制作。琵琶湖のほとりでひっそりとWEB制作事務所を営んでいます。

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