
面白い!
友人の結婚披露宴を抜け出して行った裏カジノで2,000万円の借金を作ってしまった大地と恭司。
借金を返せない変わりに、貸主(ヤクザ)の御令嬢のお見合いを成功させるという任務を与えられる。
三船日子、31歳。
でもただのお見合いではない。
相手は財閥御曹司、植草央。
恋愛下手な金持ち同士のお見合いを成功させてやろう的な話なんだろうと思ってたけど大間違い。
恋愛から結婚に至るまでの純粋で乙女チックな考え方を持っている日子に対し、
「結婚」に対する考え方が歪んでいる央。
初めは2,000万円の借金の変わりに絶対に結婚を成功させてやると考えていた大地たちだったが・・・。
結婚とは何か、そして「現代の結婚」に何の意味があるのか。
二転三転する話の中で考えさせられるものがあった。
「結婚なんて、もう終わったコンテンツなんだよ」
この言葉はとてもインパクトがあり、僕にこの本を買わせる決め手になったんだけど、
確かに現代、結婚した夫婦の約3割が離婚する。
単純に学校のクラスの人数が40人だったとしたら、13人は片親だということになる。
「結婚」というシステムそのもののシステムエラーと言われてもしかたがないのかもしれない。
昔は家同士が時代を生き抜くために手を組んで関係を深める証だったものが、
現代では子供を育てるためにしかたなく・・・のものと化している。
恋愛の延長で結婚するのが当たり前の現代だけど、
恋愛と結婚を一緒にするのはおかしいのかもしれない。
"家を出たら本当に好きな人と恋愛していながらも、子育てのためだけに帰る家族がある"
こういう形が理想なのかもしれない。
それを現代の常識では「不倫」と呼び、夫婦間において御法度になっているけど。
恋愛から発展する結婚の末路はろくなものじゃないというのは、なんとなく分かる。
なぜなら恋愛は幻想・夢にすぎない。
あなたと○○がしたい。○○へ行きたい。○○について想いたい・・・
大好きな人と行くディズニーランドは、温泉旅行は、言ったら非日常。
お互いがどこかで非日常を楽しむ自分を演じている。
そりゃ楽しくて嬉しくてワクワクして当たり前。
でも結婚はリアルな生活がある。
恋愛が上手くいく相手とだったら生活も上手くいくというのは大きな間違いだと思う。
それは3割という離婚率が物語っている。
その3割も協会では「はい、誓います」と言っていたのだと思うと笑えてくる。
これは勝手な僕の思い込みかもしれないけど、大体僕の同年代の話だと思って聞いてください。
28歳にもなると、特に男は"そうしたい"んじゃなく"そうさせられてる"感が否めない。
好きな人と一緒にいたいだけならわざわざ「結婚」という契約をする必要はないじゃないかと思ってしまう。
ただ部屋を借りて一緒に住んでればいい。
「なんで結婚しないの?私とのこと好きじゃないの?」
いやいや違うって、それは単純にめんどくさいからなんだよ。
結婚となると挨拶やら段取りやらお金やら、あれもこれもやることが多すぎて。
そんなめんどくさいことをして得られるものはなんだ?
今と変わらない生活か?
それなら尚更結婚(契約)する必要ないだろ。
それとは対照的に女は心から結婚したがっている。
遠い昔憧れた"白馬の王子様と結婚するの"的な願望ではなく、そこには焦りがにじみ出ている。
だから男は余計に一歩引いてしまう。
実は僕も現代の結婚なんてもう終わったコンテンツなんだと思っている。
ちょっと前に僕はTwitterで確かこんなことをつぶやいたことがある。
「どうか娘さんを僕にください!の時代は終わった。これからはどうか娘をもらってください!の時代だ」
結婚の挨拶と聞くと、どうしてもスーツ姿で膝をつき父親に頭を下げる彼氏の姿が浮かんでしまう。
たぶん映画やドラマの影響だろう。
でもこれからはスーツ姿の父親が彼氏にむかって頭を下げていてもおかしくはない。
「う~ん、お父さんにそんなに言われたら断れないな・・・」みたいな。
そういうスタイルでやっていくなら、彼氏はもっと楽に結婚に踏み切ると思うよ。
というかそうでもしないと結婚できない女がどんどん増えていくと思う。
仕事もライフスタイルも時代と共に変わっていくように、結婚だって変わっていかないと。
もし僕に娘ができたら、彼氏に頭を下げるわけないけどね。
本当にいろいろ考えさせられる本だった。
是非映画化してほしい。
最後に、僕はこの本を読んであらためてこう思った。
本当に好きな人と5年間の恋愛を経て結婚できて、今もなお恋愛できてる僕は幸せだ。
ブログランキング応援していただけると嬉しいです↓
@kazushi910 う~ん。染みるねぇ(笑)読んでみよ。逆に焦りも消えて来るよ、この歳になると。